被害者意識が強い人の特徴や直し方・その人との付き合い方は?

性格改善

被害者が更に辛い思いをすることは、あってはなりません。しかし、些細なことで被害者を演じ責任転換をする人もいます。

他人や環境を悪者にして自分は被害者だと言う人は被害者意識が強い人です。今回はこの被害者意識が強い人の心理や特徴、治し方や対処法を紹介します。

被害者意識が強い人がいる、被害者意識が強い、そんなあなたへ

自分が上手くいかない原因を他人や環境のせいにしている人、可愛そうな私を演じて責任を逃れようとする人は被害者意識が強い人です。ネットやテレビなどで、被害者という立場を利用して他人を批判するという行為も多く見られます。 皆さんの周りにも、このような被害者意識が強い人がいるのではないでしょうか?人は大なり小なり被害者意識を持っているものですが、被害者意識が強くなってしまうと人間関係に支障が出てきます。

また、被害者意識が強い人は、周りの人が悪意を持っているように見えたり、人間不信に陥っていて苦しんでいる人も多いです。現状を変えたいのにどうしたらいいか分からない方も多いのではないでしょうか?被害者意識の高さを改善するには、心理状態と自分自身を知ることが重要になります。 そこで今回は、被害者意識とは何か心理学を交えて解説していきます。被害者意識の改善方法や上手な対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

被害者意識の意味とは?

被害者意識とは、必ず被害を受ける立場ではないのに被害を受けている、被害を受けるに違いないと思い込むことを意味します。また、自分を正当化したり、相手より優位に立つために他者や社会、環境に責任転換したり加害者に仕立て上げるという意味も含んでいます。

被害者意識が強い人の特徴・性格とは?

被害者意識が強い人にはどんな特徴があるのでしょうか?性格的な面も考えながら、被害者意識が強い人について解説していきます。

自己中心的で他人をコントロールしたがる

被害者意識が強い人は、自己中心的な性格であることが多いです。そして、被害者という強く非難されにくい立場を利用し、他人をコントロールしようとします。性格や思考のクセが大きく影響しており、自分の立場を守りながら他人を陥れることを無意識で行っています。

また、注目されたい・評価されたいという願望や、他人に好かれたいという承認欲求も持っています。しかし、被害者意識が強い人は一人よがりな行動が多く、他人の気持ちを考えることができていないため周りの人に敬遠されていることも多いです。

被害妄想があり責任転換をする

被害者意識が強い人は被害妄想があることが特徴です。常に「かわいそうな私、悪いのはあの人」という意識を持っており、些細なことでも悪意を感じてしまいます。指摘や注意を受けると、自分に非があっても「可愛そうな自分」を演じ他人を加害者にしてしまいます。 被害者意識が強い人は会話の中でも自分のことを悲劇的に語り、必要以上に共感を求めてきます。

この時も、環境を加害者として自分を正当化しようとしたり、認めてもらおうとします。 このように被害者意識が高い人は被害妄想があり、必要以上に他人や環境を加害者にすることで責任逃れをして、自分の身を守ろうとします。これらの行動は無意識に行われており、本人に実感があることは少ないです。

ネガティブ思考

ネガティブ思考であることも被害者意識が強い人の特徴です。自分の能力や今の状況に悲観的で、常にフラストレーションを抱えています。承認欲求がありながらも、努力をしなかったり他人を信用しようとしないなど、後ろ向きな考え方が目立ちます。 被害者意識が強い人は固定型マインドセットを持っていることも多く「自分や環境は変えられない」と思うことに拍車をかけています。

また、深層心理では自分を肯定できておらず、コンプレックスを持っていることも多いです。 このため、被害者意識が強い人は悲観的であったり自分に対して無能感を抱いています。ちょっとした出来事も大きく捉えてしまい、ネガティブになってしまうことも多いです。

問題を自分で解決しようとしない

不平不満を言うばかりで、努力や問題の解決に取り組まないことも被害者意識が強い人の特徴です。深層心理に他人に対する甘えがあり、被害者になることで他人が味方になってくれたり助けてくれることを願っています。 他力本願な部分が大きく、自分が中心となって動くことや、発現することはほとんどありません。

また、自分の気持ちを処理する能力も低く、何かに依存したり自責をするという行動に走ってしまいます。 他人からアドバイスをもらっても、被害者意識が強い人は自己肯定感などが低いため受け入れることや、実行することができません。解決方法を提示してもらっても、自らは行動に出ないということも被害者意識が強い人の特徴です。

不安定で感情的

被害者意識が強い人は、不安定で感情的です。優しい一面がある人も多いですが、他人が期待通りに動いてくれなかったり、厳しく接してくると異常に怒るという特徴があります。他人に対する評価も、極端で「好きな人」と「敵」というような極端な評価をしています。

そして、メンタルが不安定であるため突然他人に感情的になり、敵だと認定してしまうことも良くあります。優しいと思っていた人がある日突然、自分を加害者にしてきたという出来事も良くあるため注意が必要です。

攻撃性がある

間接的であったり、遠回しに攻撃してくることも被害者意識が強い人の特徴です。「パッシブアグレッション」と呼ばれる手法を使い、自分を正当化しながら他人を攻撃します。被害者の立場になり攻撃することも当てはまりますが、他にも様々な方法があります。

相手に責任感を感じさせる表現を多用したり、「どうせ自分には無理」とコミュニケーションしてきた人を後悔させるような方法などが挙げられます。パッシブアグレッション以外にも、ネットで誹謗中傷などをしたりと被害者意識が強い人には攻撃的な一面があります。

被害者意識が強くなってしまう心理的原因とは?

ここでは被害者意識が強くなってしまう心理的原因を解説します。被害者意識が強い状態は、心理的原因と環境的原因が複合的に存在しています。被害者意識を改善したり、対処するためにはしっかりと把握しておきましょう。

課題の分離ができていない

被害者意識が強くなる心理的原因として、課題の分離ができていないことが挙げられます。課題の分離は、相手が考えること行動することと自分が考えること行動することを区別するということです。 被害者意識が強い人は、他人からの承認を求めていたり、他人をコントロールしようとする傾向が強く、課題の分離ができていません。他人の領域に土足で介入して、自分に都合の良い環境を作ろうとしています。

劣等感やコンプレックスを抱いている

被害者意識が強い人は、劣等感やコンプレックスを深層心理に抱いています。このため、不満や妬みといった感情を常に感じています。このマイナスの感情が強いことが原因で、被害者意識が強くなります。 また、自己肯定感も低く固定型マインドセットを持っていることも多いです。このため、努力や行動で改善するのではなく、被害者になり自分を正当化することで欲求不満を解消しようとします。しかし、根本的な解消ではないためマイナスの感情はいつまでも残り続けます。

自己愛が強い

自己愛が他の人に比べて強いことが、被害者意識が強くなる原因です。自己愛が強すぎると、自分を誇大したり正当化したいという欲求が出てきます。

そして、過去の出来事や育った環境で被害者という立場を利用することを覚えてしまうと、被害者意識が強くなってしまいます。 被害者意識を利用すれば、簡単に自分を正当化したり責任転換をして自己防衛することができます。運が良ければ、周りの人に心配されたり大切にされることもあるため、癖になっている人も多いです。

自己愛は悲劇のヒロイン思考や自分だけ報われないといった妬みの感情を引き起こすこともあります。このため、被害者意識の高さだけでなく過剰な自己顕示欲やオンリーワン思考などを併せ持っていることが多いです。

感情や問題を処理する能力が低い

感情や問題を処理する能力が低いということも、被害者意識が強くなる原因です。処理能力が低いと、一人では不満や問題を解決することができません。

また、感情をコントロールすることも苦手としているため、ヒステリックに不平不満を言うことが多いです。

このため、他人をコントロールしたり間接的に攻撃することで責任転換をするという行動に出ます。責任転換してしまえば、自分は責任を取らずに済み、自分の解決能力の低さと向き合う必要もありません。

ネガティブな感情をまき散らせば、一時的に気分が良くなります。 被害者意識が強い人は、自分の欲求不満を他人を利用することで一時的に発散しています。あくまで対処療法のため根本的に欲求不満が解決されず、延々と被害者意識を持ち続けています。

「敵意帰属バイアス」がある

敵意帰属バイアスは認知の歪みの一つです。この敵意帰属バイアスは相手の些細な言動に敵意を感じ、ネガティブに解釈するというもので、時に攻撃性に代わることもあります。相手に根拠のない悪意を感じることが多いため、被害者意識が強くなる原因になってしまいます。

悪意がない発言や親切心から来る助言に対しても「バカにされた」「何か裏があり自分を陥れようとしている」と受け取ってしまうため、被害を受けたと思い込んでしまいます。そして、自分を責めることで周りを心配させたり、間接的に攻撃するという手段に出てしまうことが多いです。

敵意帰属バイアスを持っている人は人間不信や情緒不安定、勝ち負けにこだわるなどの傾向があります。このため、自分から思い込みに気づいて努力しない限り、改善することはほとんどありません。

被害者意識が強い人との付き合い方・対処法5選!

ここでは、被害者意識が強い人との付き合い方や対処法を5つ紹介していきます。被害者意識が強い人とは上手に付き合わないと、自分が加害者にされてしまうことがあります。しっかりと把握して、被害者意識が強い人との関係の参考にしてみてください。

関わらないようにする

自分が加害者にされないためには、被害者意識が強い人と関わらないことが一番です。被害者意識の強さは、本人が気づき努力していくことでしか改善できません。無理に関わってしまうと、相手のペースにはまり心身ともに疲れ果ててしまうことになります。 被害者意識が強い人とは距離を置き、必要最低限のコミュニケーションを意識しましょう。このときもあくまで自然に、相手が敵意や悪意を感じにくいように接することが重要です。

第三者を交える

被害者意識が強い人と話し合いをするときは、第三者を交えることが効果的です。第三者を交えることで、加害者にされた時に嘘の情報を流されても対処することができます。また、責任の所在をはっきりさせることができるので、加害者にされたり責任転換をされたときにも対処できます。 第三者を選ぶ際には、周りから信頼されている人や、中立的な考え方が出来る人がオススメです。

感情的にならない

被害者意識が強い人と接するときは、感情的にならないように気を付けましょう。感情的になってしまうと言葉が荒くなってしまい、思わぬところで加害者にされるリスクが高くなります。被害者意識が強い人と話すときには、敬語などを使い冷静に話すことを心がけましょう。

反論や指摘は極力避ける

反論や指摘は極力避けるようにましょう。被害者意識が強い人との会話の中で、反論や指摘を行ってしまうと、加害者にされてしまうリスクが高まります。被害者意識が強い人との会話では、傾聴を心がけ相手の気持ちを理解することを意識することで、加害者にされる確率を減らすことができます。 どうしても反論や指摘が必要になった場合は、一旦時間を置いて冷静に言葉を選んでから伝えるようにしましょう。その場での反論や指摘は、リスクが高いため、できるだけ避けたほうが無難です。

チームや部署で情報共有する

被害者意識が強い人が一人いると、チームや部署の人間関係が悪化することがあります。ある程度、チーム内で情報共有をして問題が起こってもすぐに対処できるように準備することも重要です。 ただし、露骨に孤立させてしまっては逆効果なので、被害者意識が強いという事実だけを共有することに専念することが大切です。被害者意識が強い人が改善する意思を見せたときは、適切な距離感を保ちつつサポートできる環境を整えることも視野に入れてみてください。

被害者意識の高さ診断!

ここでは、被害者意識の高さを診断できる項目を10個用意しました。被害者意識を持っているかもしれないと不安な方は、ぜひ診断してみてください。

  1. 愚痴や悪口が多い
  2. 周りの人に比べて自分は不幸だと思う
  3. 環境や人間関係に不満がある
  4. もっと注目されたい・評価されたい
  5. 一度あった出来事をずっと覚えている
  6. 現状に不満があるが、何も行動を起こしていない
  7. 誰も自分のことを分かってくれない思っている
  8. 人間関係の好き嫌いが極端なタイプだ
  9. 会議や話し合いで自ら意見する事が少ない
  10. アドバイスされても「そんなの無理」と思うことが多い

半分以上当てはまる項目があれば、被害者意識を持っている可能性が大きいです。被害者意識は誰もが持ってしまう可能性があります。しかし、自分が気づいて少しずつ努力していけば改善することもできます。 項目が多く当てはまってしまったからといって、落ち込む必要はありません。今回の診断を自分を成長させるきっかけにして、できることから少しずつ取り組んでみましょう。

被害者意識が高いのは改善できる!すぐ実践できる改善方法とは?

被害者意識が高いことは心がけや努力で改善できます。今回は、今からでもすぐ実践できる方法を紹介します。被害者意識が高いことは、すぐには改善することは難しいです。しかし、少しずつ努力することで改善できるので、ぜひ参考にしてみてください。

自分自身と客観的に向き合う

被害者意識が高いことを改善するには、自分自身と客観的に向き合うことが大切です。自分を過小評価してしまっているのであれば、褒められたことや自分が好きなことを思い出してみることも効果的です。 この時に否定しようとする感情が出てきた場合は、「否定しようとしている自分」をしっかりと認識してあげましょう。感情を認識して向き合うことで、自分を深く理解することができますし、慣れてくると冷静に受け入れることもできるようになります。

不満のあることに対し解決方法を考える

被害者意識が高いことの改善には、実際に動くことが効果的です。はじめは、小さな問題についての解決方法を考えてみることがオススメです。小さな問題解決でも積み重ねていくことで、自分の能力で対処できるという「自己効力感」を育てることができます。 頭の中だけでは、良い解決方法が浮かばないという方も多いと思います。この時は、紙とペンを使い表を作りながら解決案を探す方法がオススメです。

具体的なやり方としては、真ん中に解決したい問題を書き、周りに解決方法や関連することを書きだしてみましょう。関係性が高いものは線で結ぶと見やすくなります。そして、出たアイディアの中から自分が出来そうなこと、感情を抑えなくていいものを選んでみてください。 この方法は、マインドマップを問題解決に利用したもので様々な問題に利用できます。最初のうちはあまり気負わずに、小さなことから解決していきましょう。

感じ方や考え方を受け入れる

人間は外からの刺激に対して、反射的に考えています。被害者意識も思い込みに影響されて、無意識に抱いてしまっていることが多いです。反射的なマイナスの思考を改善するには、考えたことや感じたことを認識して受け入れていくことが効果的です。 感情の認識と受け入れは、マインドフルネスでも重要とされていることです。認識して受け入れることができると、事実と向き合うきっかけになったり、冷静になるきっかけを得ることができます。過剰な反応をしてしまったときの、ストレスを和らげることもできます。

意識して「不満を言わない」「他人に頼らない」時間を作る

意識して「不満を言わない」「他人を頼らない」という期間を作ることもオススメです。こうすることで、自分で解決するトレーニングや被害者意識を持とうとする気持ちに気付くことができます。少しずつ取り組んでいくことで、意識しなくてもできるようになるので、ぜひ継続してみてください。

小さな「やらないという選択」を積み上げる

小さな「やらないという選択」を積み上げることで、意志力を鍛えることができます。被害者意識を改善する場合では「責任転換しない」「でも、どうせを言わない」ということも効果的です。 また、とても小さなものでもトレーニングになるので「会話するときにスマホを見ない」「ネガティブな言葉を使わない」といったことから取り組んでみても良いでしょう。日ごろから積み重ねてトレーニングすることで、鍛えることができるので、ぜひ習慣化してみてはいかがでしょうか?

被害者意識を理解して上手に付き合っていきましょう

被害者意識が強い人や被害者意識が強い自分と上手く付き合うには、心理をしっかりと理解することが大切です。やみくもに行動することは逆効果になってしまうことが多く、お互いに不幸になってしまいます。 被害者意識が強い人が近くにいるのであれば距離を意識すること、被害者意識が強い自分を変えたいのであれば気持ちや現状に向き合うことに取り組んでみましょう。そして、被害者意識をよく理解して毎日をより穏やかなものにしていきましょう。

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